サイテーションとは?MEO効果や実施方法について解説

サイテーションはSEO対策やMEO対策において重要な要因のひとつといわれています。

Googleのガイドラインでは、サイテーションはローカルSEO/MEOでのランキング要因として影響があると触れられているほどです。

本記事では、サイテーションとは何なのか?サイテーションが効果的といわれている理由や、サイテーションで重要な事柄やサイテーションの獲得状況の調べ方についてお伝えします。

この記事を読むことで、サイテーションの重要性や効果について理解を深めることができます。

ぜひご一読ください。

サイテーションとは?

サイテーション(citation)とは「引用・言及」といった意味の言葉です。

MEO対策においてサイテーションの獲得はSEO対策の被リンク獲得と同じくらい重要な役割をもち、これによってGoogleマップの検索ランキングで上位表示させられるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

たとえば、他サイトに「〇〇市でおすすめのカフェ」と掲載され紹介されてもGoogleはサイテーションとして認識しません。

Googleがサイテーションとして認識する項目の例として、会社名、サービス名、ブランド名、店舗名(ビジネス名)、住所、電話番号、a要素ではないURLなどが挙げられます。

なのでこの場合は「〇〇市でおすすめのカフェ:ホワイトマップ」と掲載されることで初めてサイテーションと認識されるのです。

サイテーションは、あくまで文字情報としてそのビジネスが引用されている状態であり、リンクを伴う必要はありませんが、Googleに認識させるためには会社名やサービス名を正確に記載させておく必要があります。

MEO対策にサイテーションは重要なのか

実際にMEO対策にサイテーションは重要なのでしょうか。

Googleは、ローカル検索結果のランキングを改善する方法のひとつに「視認性の高さ」を挙げています。

簡単に言えば、そのビジネスがどれくらい広く世の中で周知されているか、知名度が高いか、ということになります。

昨今はすっかりSNSも普及し、X(旧・Twitter)やfacebookなどで個人が多くの情報を発信できるようになっています。

しかしこれらのSNSでは一般にリンクがあったとしても、nofollow処理をされているため外部リンクとしての評価を一切受けることができません。

これでは現実的に多くの人達に支持を受け、ブランドやサービスがあちこちで評価されているのにもかかわらず、肝心の検索エンジンがまったく評価していないという事態が発生します。

情報に偏りが生まれ、現実とずれた不当評価が起きてしまうことを避けるため、検索エンジンはリンクがなくても、多く言及されているのであれば一定の評価を与えていると考えます。

そこでローカル検索結果のランキングにこうした情報が加味され、ランキング検索結果をあげているようなのです。

ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響しますし、Google でのクチコミ数とスコアもローカル検索結果のランキングに影響を及ぼすため、クチコミ数が多く評価の高いビジネスはランキングが高くなるのです。

このような背景から、サイテーションはMEO対策に非常に大切といえるのです。

サイテーションのタイプ

サイテーション対策には2つの型があるのでそれをご紹介します。

ポジティブに言及されたコンテンツを獲得する

自社ブランドやサービスに関しての好意的でポジティブな感想や口コミ、評価などを多くのユーザーに発信してもらう形でのサイテーション対策です。

特に口コミサイトやSNSを活用して、そこで多くの人達に情報発信をしてもらえるような環境を作ると、よりよいサイテーション対策となり高い効果を発することができます。

NAP情報をもとにした登録情報を獲得する

自分のビジネスに関するサードパーティのディレクトリ登録サイトに正しくNAP情報を公開、管理する形でのサイテーション対策です。

NAPとは、店舗の名称(Name)、住所(Address)、電話番号(Phone)の頭文字をとった言葉です。

NAP情報をGoogleビジネスプロフィールや公式ウェブサイト、各SNSや情報サイト、口コミサイト上で正確に統一させておくことで、それが関連のある店舗のサイテーション情報であることを検索エンジンに伝えることができます。

こうしたサイトでの評価は登録された店舗情報をもとに同じ店舗として紐づけられるので、サイテーション効果を獲得できるようになります。

サイテーション効果の事例

海外の事例では、NAP情報を最適化した場合の効果を分析したデータがありますのでご紹介します。

1.可視性に与える影響

この調査は、115,000のビジネスロケーションからランダムに6,000の場所を抽出し、Googleビジネスプロフィール、Facebook、Bing、Appleマップの4つのサイテーションサイトに店舗情報を登録したグループと、さらに10サイト以上のサイテーションサイトに店舗情報を登録したグループの2つのグループに分け、13ヶ月間(2019年9月〜2020年10月)の検索タイプごとの視認性(見つけてもらいやすさ)を分析したものです。

  • Direct Search(直接検索:ビジネス名や住所で検索された回数)
  • Indirect Search(間接検索:サービス名やカテゴリなど関連ワードで検索された回数)
  • Maps View(Map表示数:Googleマップで表示された回数)
  • Search View(検索閲覧数:Google検索で表示された回数)

という、4つの検索タイプで分析すると、サイテーションサイトを10以上登録したグループの方が、すべての項目においてパフォーマンスが大きく向上しているという結果になりました。

直接検索では89%増、間接検索では77%増、Map閲覧数では65%増、検索閲覧数では91%増となっており、中でもGoogle検索での表示回数において非常に大きな伸びを見せる結果となっています。

NAP情報の正確さがいかに大切かが分かるデータです。

2.ユーザーアクションに与える影響

ユーザーの3つのアクションである

  • 「Directions(ルート検索)」
  • 「PhoneCall(電話をかける)」
  • 「WebsiteClick(ウェブサイトへのクリック)」

についての調査も実施されているのでご紹介しましょう。

視認性が高くなったことからこちらも大きくパフォーマンスを伸ばし

ルート検索102%増、電話13%増、ウェブサイトクリック87%増という結果となっています。

つまり、Googleからある程度情報源として評価されているサイト上でNAP情報を適切に管理すれば、検索エンジンから好意的な評価が得やすくなると考えられます。

多くの媒体に店舗情報やブランド情報が正しく登録することで、検索エンジンはそれらを同一の店舗・ブランドの情報と見なし、視認性の高さ(知名度や人気度)の評価につながることが分かります。

3.引用の正確さが検索視認性に与える影響

また別の調査では、引用が正確に登録されているものと不正確なものとでは、検索視認性に18倍もの差があることが分かっています。

このデータからも、すべてのサイテーション媒体でできる限り正確なNAP情報を管理して登録しておくことは非常に重要であることが分かります。

サイテーション評価を得るための準備

サイテーションがMEO対策に効果的であることがご理解いただけたのではないかと思います。

では、これらのサイテーションをどのように獲得すればいいのでしょうか。

具体的な方法とやり方について説明します。

1.Googleビジネスプロフィールに登録する

まずはGoogleビジネスプロフィールに登録しましょう。

Googleビジネスプロフィール(旧Googleビジネスプロフィール)とは、Googleが提供している無料のビジネスリスティングサービスで、Google検索やGoogleマップで検索された時に表示されるビジネス情報をオーナーが自身で管理したり、情報発信ができるツールです。

このような店舗情報をGoogleビジネスプロフィールで管理することは地域密着型のビジネスにとって非常に有効です。

Google検索で「地域名+キーワード」などの地域性を持ったキーワードで検索すると、関連する店舗情報(営業時間、連絡先、所在地など)が表示されるわけですが、これを実際に利用した経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。

視認性を高めるための第一歩がGoogleビジネスプロフィールに登録することなのです。

2.NAP情報を統一させる

Googleビジネスプロフィールに登録したら、次はNAP情報を統一させましょう。

サイテーションでは、リンク関係がないウェブ上の情報とGoogleビジネスプロフィールの店舗情報とを同一のものとして認識してもらうことが肝心です。

そのためには、ビジネス名や住所、電話番号などの固有情報が紐づけられるように、NAP情報を各媒体で統一しておかなければなりません。

ビジネス名(=会社名)のオリジナル性が高く、他にあまりない名前であれば別ですが、「〇〇商店」「〇〇工業」のように、全国に同じ名前の店舗が無数にありそうなビジネス名の場合、ビジネス名だけで正確にWeb上の「〇〇商店」を表示させるのは難しくなり、検索しても上位表示されなくなります。

NAP情報である「ビジネス名」「住所」「電話番号」のすべてを統一させることで、サイテーション情報を正確に紐づけすることができます。

3.検索エンジンが自社サイトを認識するようHTMLに記載

ここまで整ったら、検索エンジンが自社サイトを認識するようHTMLに記載してください。

自社サイトについてより細かくHTMLを記述することで、自社サイトがどういった内容のサイトなのかを分かりやすく伝え、検索エンジンから認識しやすくすることができます。

ポイントはWEBサイトにもビジネスプロフィールで登録したビジネス名やサービス名・ブランド名を記載することです。

検索エンジンが何のページかを判断できるよう、HTMLタグに記載しましょう。

4.ポータルサイトに掲載する

ここまで準備できたらポータルサイトに掲載していきましょう。

サイテーション対策では、より多くのユーザーに認知してもらい、視認性を高めていく必要があります。

そのためには公式サイトだけではなく、口コミサイトやまとめサイト、業種別検索サイトなどの多くのディレクトリ登録サイトにも積極的に店舗情報を掲載・発信していきましょう。

できるだけ多くの媒体に自店舗の情報を掲載した方がユーザーとの接点が増えて視認性が高まり、最終的にはアクション(経路検索、ウェブサイトへのクリックなど)につながっていくはずです。

5.ポジティブな口コミを獲得する

口コミの獲得は厳密にいえばサイテーション対策とはいえないかもしれませんが、認知度や人気度獲得につなげていくには効果的です。

特に自店舗のGoogleビジネスプロフィールでの口コミ獲得は、MEOでの評価を高める上でとても重要です。

もちろん、ポータルサイトでの口コミ獲得や、SNSからブランドやビジネスについての感想などを発信してもらうことも、サイテーション評価の獲得のためには見落としてはならない重要なポイントです。

好意的でポジティブな感想や口コミは、ポジティブな評価要因となることを意識し、口コミを意識していきましょう。

サイテーションの獲得状況の調べ方

実際にサイテーション対策をしたら、その効果がどのくらい上がっているものなのか確認し、思うような効果が出ていなければより効果的なサイテーション対策を講じる必要があります。

ここではサイテーションの獲得状況の調べ方を4つご紹介します。

1.Yahoo!リアルタイム検索機能で検索

X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSに限りますが、Yahoo!リアルタイム検索機能を使うことにより、リアルタイムでSNSユーザーによるビジネス名・店舗の引用や言及されている状況を確認することができます。

無料ツールのため誰でも利用できます。

やり方はGoogle検索と同じく、自社サイト名やサービス名を入力して検索するだけです。

どのような文脈で言及されているのかを確認しましょう。

2.SNSで検索

最近はSNSでの言及を蔑ろにはできません。

検索ボックスに自社サイト名やサービス名を入れて検索してみるのもいいでしょう。

口コミが広がりやすく、利用している年齢層も広いX(旧Twitter)では、多くの言及が獲得できます。

特に若年層を中心として、何かを調べる時にGoogleなどの検索エンジンではなくSNSを利用するケースが増えています。

生の声が、ポジティブなのかネガティブなのかを確認しましょう。

サイテーション獲得の指針のひとつとしても利用できます。

3.Googleで検索

Googleのシークレットモードを活用して、ネット検索をするのも効果的です。

検索ボックスには自社サイト名やサービス名を入力すればOKです。

自社サイトの他にも、言及しているサイトやSNSが表示されるはずです。

自社のサービスやサイト名、ブランド名に言及してくれている上位サイトの内容やサジェストワードを調べ、ユーザーの評価や声を把握しましょう。

4.Googleサーチコンソールの活用

Googleサーチコンソールとは、Googleが提供している自社サイトに実装できる無料のWeb解析ツールです。

Web上での自社サイトのサイト名検索の回数を調べ、獲得したサイテーションによるアクセス数などを表示する機能があるため、Googleが自社サイトをどのように評価しているか、調査や分析ができます。

基本的にはSEO対策などの効果を図る目的として利用されていますが、MEO対策にも応用することができます。

Googleサーチコンソールの機能でサイテーションの状況を直接計測することはできませんが、自社サイトの被リンクの状況を調べることができるため、その中からサイテーションの役割を果たしているWEBサイトを見つけることができる場合があります。

サイテーションを獲得するための注意点

サイテーションを獲得するためにいろいろな手法を実施する必要がありますが、その中でも注意しなければならないポイントがあります。特に気をつけたい注意点を3つご紹介しましょう。

1.NAP情報を統一することがサイテーションではない

NAP情報を統一して、これでサイテーションはばっちりだ!とばかりにランキングの改善を期待しているオーナーやMEOの企業が少なくありません。

もちろんNAP情報を統一することで一定のサイテーション効果はありますが、逆にいえばこれは最低限整えるべき準備ともいえます。

自社がサービス提供をしているエリア内で認知度を高めるためには、Googleマップやローカルパックで自社より上位に表示される競合店よりも多く他サイトに自社情報を掲載したり、SNSでの引用を増やす必要があります。

そのためにもまずは競合他社が獲得しているサイテーションの把握をして、競合他社よりも多くのサイテーション獲得を目指しましょう。

2.ネガティブな情報はMEO対策では逆効果

SNSや口コミに投稿されるものが、すべてよい内容とは限りません。

「美味しかった」「また利用したい」というポジティブな口コミもあれば「提供された料理が冷めていた」「技術不足だ」といったネガティブな口コミもあります。

オンライン上で多く引用されることでサイテーション効果は高まりますが、ネガティブな情報があまりにも多いと、Googleはユーザーに提供すべき情報ではないと判断し、検索結果に悪影響を及ぼすおそれがあります。

検索結果の上位を目指すためにも、まずは顧客に誠実に向き合い満足してもらうことはもちろん、適切なサービスの提供を心がけましょう。

3.サイテーション効果を出す手法はひとつではない

当然のことながら、サービス名や社名の認知度を上げなければサイテーション効果は得られません。

しかしサイテーション効果を出す手法はひとつではありません。

まずはユーザーに触れてもらう機会を作りましょう。SNSアカウントを作成したり、特定のサービスに特化したブログを開設するなどして、情報発信できるフィールドを増やしてもいいかもしれません。

もちろん、サイテーションを獲得したいサービス名などは積極的に盛りこむようにしてください。

サイテーションの傾向を知ることで、自社サイト・サービスの課題などがわかるかもしれません。

まとめ

本記事では、サイテーションとは何なのか?サイテーションが効果的といわれている理由や、サイテーションで重要な事柄やサイテーションの獲得状況の調べ方についてお伝えしました。

サイテーションは、店舗や会社などについてオンライン上で引用、言及されることを指しており、サイテーション対策を行うことでMEO効果を高め、集客力アップにつながるでしょう。

対策としては、Googleビジネスプロフィールの登録、NAP情報の統一、自社サイト、自社SNSなどでの情報発信、ポータルサイトへの自社サイト掲載、ポジティブな口コミの獲得などがあります。

サイテーション対策を整え、サイテーション獲得状況を確認しながら、常に顧客と向き合い、誠実にサービス提供をすることで、皆様のビジネスがオンライン上でよりよい評価を得て、ますます発展していくことを心よりお祈りいたします。

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